この館には、”何か”がいる。
本記事では映画『恐怖ノ黒洋館』の作品情報、あらすじ、感想と評価、おすすめポイントを紹介しております。ネタバレ?それはとどのつまり主観の相違です。
作品情報
原題 | The Last Will and Testament of Rosalind Leigh |
製作 | 2012年/カナダ |
レイティング | G |
上映時間 | 80分 |
監督 | ロドリゴ・グディーニョ |
出演 | アーロン・プール ヴァネッサ・レッドグレーヴ |
あらすじ
母が死に、長らく疎遠となっていた生家へと帰ってきた骨董商のレオン。家の中は彼が扱った骨董品や聖具であふれ返り、どこか不気味な雰囲気を漂わせていた。そんな自分しかいないはずの家の中で誰かの気配を感じ取ったレオンの姿を、闇の奥からひそかに見つめ続ける何者かの眼があった……。
感想と評価
キリスト教系のカルト集団に属していた両親を嫌い、若い頃に家を飛び出して無神論者となった男が、両親の死後に帰郷した家の中で体験する怪異を描いたオカルト心霊ホラーです。
監督は自身の実体験をもとに本作を撮ったカナダの新人ロドリゴ・グディーニョで(本作以降の監督作は見当たらず)、主演は『ザ・ヴォイド 変異世界』のアーロン・プール、共演には『肉体の悪魔』の大ベテラン、ヴァネッサ・レッドグレーヴがなぜだか出演。
古ぼけた屋敷の中だけを舞台に、主役のアーロン・プールのひとり芝居が延々と続く内容で、ポルターガイスト系、オカルト系、妄想系のニオイをプンプンと漂わせながらも、落ち着くのは人の孤独へと焦点を当てた心の隙間映画で、まあ深淵を覗きすぎてはいけないということです。
大事なのはどんなテーマであれ、ホラー映画として何を描き、何を活かし、いかに退屈させないかだと思うのですが、本作はそのすべてでミステイクを犯している印象ですな。
映画としてわかりにくいとか、恐怖の対象がボヤけているとか、単純に怖くないとかいろいろと問題はありますが、どストレートに表現してしまうとただただ面白くない、これに尽きるかと。
本作が狙った恐怖ポイント、家の中にあふれ返る骨董品やら聖具やら銅像、絵画、調度品による一種のインテリアホラーとしての狙いは悪くないと思うのですが、これにしても雑多すぎてまったく焦点が絞れておらず、言い換えればちょっと格調高いただのゴミ屋敷。
その中をちょっとハゲかけたおっさんがウロウロと徘徊するだけの映画ですので、そりゃ面白くなるはずがありません。
原題の意味は「ロザリンド・リーの遺志と遺言」で、まあカルト狂いの毒親で息子に嫌われちゃったおかーちゃんのアレやコレやで愛おしすぎて思わず顔を舐めちゃった♡、ってな映画だったわけですが、わかるわからないの前に単純に面白くないのがやはりネック。
これは監督の実体験を忠実に映像化したとかなんとかほざいてますが、そんな映画監督の戯言はまったく信用する必要ありませんよ。
大事なのは面白いか面白くないか、ただこの一点のみなのです♡
おすすめポイント
- 一種のインテリアホラーへと挑戦した心意気は買おう!
- 「隣人で~す」とやって来た声だけの男のシーンはちょっと怖いかも?
- 終始ナレーションのみだったヴァネッサ・レッドグレーヴが最後に披露してくれるそのお姿!
DVD&Blu-ray
VOD/動画配信
『恐怖ノ黒洋館』を配信しているVODはこちら(2021年2月現在。最新の配信状況は各公式サイトにてご確認ください)。
予告編動画
(C)2012 LAST WILL AND TESTAMENT CORP.