覚醒した遺伝子は 止められない―
本記事では映画『ウェア -破滅-』の作品情報、あらすじ、感想と評価、おすすめポイントを紹介しております。ネタバレ?それはとどのつまり主観の相違です。
作品情報
原題 | Wer |
製作 | 2013年/アメリカ |
レイティング | R15+ |
上映時間 | 92分 |
監督 | ウィリアム・ブレント・ベル |
出演 | A・J・クック サイモン・クォーターマン ブライアン・スコット・オコナー |
あらすじ
フランス旅行中にアメリカ人一家が全身を毛に覆われた何者かに惨殺されるという事件が発生。警察は容疑者としてタランという名の大男を逮捕するが、彼の弁護をすることになったキャサリンはある身体的理由から犯行は不可能だと訴え、それを立証するための検査が行われることになったのだが……。
感想と評価
有名な狼男伝説をモチーフに、遺伝子の異常によって超人的な力を有し、月の満ち欠けによってそれがコントロールできなくなって獣人化する男、要するに「狼男」が現代のフランスで大暴れする姿を描いたモンスターアクションホラーです。
監督は『ザ・ボーイ ~人形少年の館~』のウィリアム・ブレント・ベル。
吸血鬼映画に対していまいち人気、本数、傑作ともに少ない狼男映画。
1980年代初頭には『ハウリング』と『狼男アメリカン』という2本の大ヒット作が生まれましたが、その後は低迷が続き、2000年以降で目立ったのはニール・マーシャル監督の『ドッグ・ソルジャー』ぐらいでしょうか。
そんな狼男映画で久々のスマッシュヒットを放ったのが本作『ウェア -破滅-』で、タイトルやポスターからは微塵も狼男臭は漂ってきませんが、狼男伝説に現代的な説得力をそれなりには与えた意欲作で、狼男や吸血鬼に必ず付随するファンタジー性を脱色したアプローチは個人的に好印象。
まあそれゆえに冤罪事件や、三角関係や、警察の不正などといった、狼男とはビタイチ関係ない現代性でズルズルと引っ張ってなかなか物語が核心へと進まぬのですが、そういう余計な回り道を経ての程よく行きすぎない狼男描写がこれまた良い塩梅で、そこから突如としてバトルアクション化するのにも意外と燃える要素が。
まあ低予算ゆえの苦肉の策とも取れますが、現代に狼男を復活させるために頭を絞った好感度の高い作品で、顎を狙い撃つグロ描写も好きな人には好感触かしら?
あ、『デッドコースター』のヒロイン、A・J・クックの変わらぬ美貌が拝めたのもおじさん的には眼福でございましたよ♡
おすすめポイント
- 冒頭から意外と気を吐くグロ描写は子供にも容赦なしよ!
- 狼男っぽさをあえて脱色した狼男描写に時代と予算を見よ!
- 個人的には最後の抵抗であろう「剃髪」にめちゃ燃えてしまった!
DVD&Blu-ray
VOD/動画配信
『ウェア -破滅-』が配信されているVODはこちら(2021年1月現在。最新の配信状況は各公式サイトにてご確認ください)。
予告編動画
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