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シェラ・デ・コブレの幽霊

ホラー映画『シェラ・デ・コブレの幽霊』の画像

昭和42年夏にテレビ放送され、大人から子供まで日本全国のお茶の間を震えあがらせた幻のホラー映画が、日本語字幕版で43年ぶりに金沢に帰ってくる!

本記事はホラー映画『シェラ・デ・コブレの幽霊』の作品情報、あらすじ、感想と評価、おすすめポイントを紹介しております。ネタバレ?それはとどのつまり主観の相違です(基本的にはネタバレなしのつもりです)。

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作品情報

原題The Ghost of Sierra de Cobre
製作1964年/アメリカ
レイティングG
上映時間81分
監督ジョセフ・ステファノ
出演マーティン・ランドー
ダイアン・ベイカー
ジュディス・アンダーソン
トム・シムコックス
ネリー・バート

あらすじ

著名な建築家でありながら、ゴーストハンターとしての顔も持つネルソン・オライオン。そんな彼のもとに、死んだはずの母親から毎晩のように掛かってくる電話に悩まされる、盲目の資産家ヘンリー・マンドールからの依頼が舞い込む。ヘンリーの妻ヴィヴィアとともに、事件の真相へと接近していくネルソンだったが……。

感想と評価

死んだ母親からの電話に怯える大富豪からの依頼を受け、事件を調査することになったゴーストハンターが解き明かす、悲しくも恐ろしい驚愕の真相を描いた、長らく視聴困難であった幻の心霊ミステリーホラーです。

監督は『サイコ』の脚本家として知られるジョセフ・ステファノで、主演は『手紙は憶えている』のマーティン・ランドー、共演には『羊たちの沈黙』のダイアン・ベイカー、『ローラ殺人事件』のジュディス・アンダーソンなど。

あまりの恐ろしさゆえにお蔵入りとなった(諸説あり)、幻のホラー映画として名高い『シェラ・デ・コブレの幽霊』。

そんな幻ホラーがプライム・ビデオでお手軽に観られるってんだから、まったくいい時代になったもんですよね。

そんな幻ホラーとしての煽り文句がデカすぎて、少々期待値を上げすぎているきらいもあるのですが、あの時代における心霊ミステリーホラーとしてはやはり優秀な仕上がりで、心霊ものとしても、ミステリーとしても、十分期待にこたえる面白さだったと思います。

死者からの電話というミステリーを追いかけるうちに、シェラ・デ・コブレという土地で起きたある悲劇が浮かび上がり、それにまつわる現実的犯罪と、超自然的怨念が同時に解き明かされる構成は、一粒で二度おいしい見事なストーリーテリングで、さすがは『サイコ』の脚本家。

とりわけ非現実的な事象に対して、現実主義者な家政婦と主人公が交わす議論がなんともウィットに富んでおり、本作は人物や建物などの対称性が意図的に描かれていて面白いのですよね。

脚本だけではなく演出的なこだわりも随所に感じられ、コントラストを効かせたバッキバキの白黒映像はただそれだけでキマっておりましたし、ショック演出のタイミングも絶妙で、最後の絶叫と映像が被さるシーンなんてお見事。

肝心要の幽霊描写は、怖すぎてお蔵入りと騒がれるほどのものでは実際ありませんが、画面を覆いつくす超絶ドアップと、あの耳に残る恨み節は確かにインパクト絶大でしたし、何より本作は明確な何かが映っていない、予兆としての不気味さ、不穏さの演出が素晴らしく、とりわけ地下墓地でのシーンはバッキバキにキマった白黒映像とあわせて最恐です。

ラストの無常さとほったらかし感も大好物で、「言うほどたいしたことあらへん」という声も聞かれますが、個人的には十分に恐ろしく、面白い、良質なホラー映画だったと思います。

まあ期待値を上げすぎてたのが意外な世評の低さにつながったのでしょうね(古い映画が苦手な方もいますし)。

HORROR-BAKKA的評価

恐怖度:3.0
グロ度:1.0
面白さ:3.0

総合評価:B

おすすめポイント

『シェラ・デ・コブレの幽霊』のおすすめポイント
  • バッキバキにキマった白黒映像、奇怪な音響、タイミングの妙による超自然的現象が起こる予兆としての恐怖!
  • 紆余曲折を経た作品らしい不完全さの象徴ともいえる謎の水着美女の登場に不必要な必要性を感じろ!
  • 無常なほったらかし感の漂うラストの押し寄せる波がどんぶらこっこ!

DVD&Blu-ray

VOD/動画配信

シェラ・デ・コブレの幽霊』が配信されているVODはこちら(2023年3月現在。最新の配信状況は各公式サイトにてご確認ください)。

予告編動画

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