2023年公開のおすすめホラー映画はこちら >

食われる家族

ホラー映画『食われる家族』の画像

お前は一体誰なんだ――!?

前置き

本記事はホラー映画『食われる家族』の作品情報、あらすじ、感想と評価、おすすめポイントを紹介しております。ネタバレ?それはとどのつまり主観の相違です。

スポンサーリンク

作品情報

原題침입자
Intruder
製作2020年/韓国
レイティングG
上映時間103分
監督ソン・ウォンピョン
出演ソン・ジヒョ
キム・ムヨル
イェ・スジョン

あらすじ

1996年、韓国の遊園地で何者かによって連れ去られた少女ユジン。25年後、彼女が見つかったという知らせが兄ソジンに届き、25年ぶりに一家が揃うことに。娘との再会を喜ぶ両親、ソジンの娘もユジンに懐くものの、ソジンだけは自分の妹を名乗る彼女の存在に疑念をいだき、やがてその疑念は不気味に家族を侵食してくるのだった……。

感想と評価

幼い頃に行方不明となった娘が25年ぶりに姿を現し、資産家一家の一部へと侵入、そして侵食してくる恐怖を描いた韓国製サスペンススリラーです。

監督は日本でも人気を博した小説『アーモンド』の著者ソン・ウォンピョンの商業監督デビュー作で、主演は『狐怪談』のソン・ジヒョと『悪人伝』のキム・ムヨル、共演は『新感染 ファイナル・エクスプレス』のイェ・スジョンなど。

25年前に行方不明となった娘が突然の帰還を果たし、資産家一家の生活へと介入、支配、侵食してくる恐怖のなか、ただひとり「妹」と名乗る存在に疑念をいだいた兄の孤軍奮闘を描いた作品で、プロット的に『パラサイト 半地下の家族』と似通った点があるせいで割を食った感じですが、なんのなんの、似ているのはプロットだけで、異なる恐怖や問題へとアプローチをした非常に優れたサスペンススリラーだったと思いますよ。

突然戻ってきた妹の正体と目的を核心としながら、それに疑念をいだく兄のトラウマと不安、さらには不信も同時に描き、主人公である兄ソジンを徹底的に追い詰めていくサディスティックさが本作のキーなんですよね

謎の存在への不信と同時に、それを追求する主体への不信も共存しており、ふたつの不信を中心として映画が不気味に加速していく構成が秀逸で、複雑に絡み合った疑念と不信が溶け合った先に見えてくる山の頂上と断崖絶壁を、やや強引とも思えるエンタメ性によって見事に描き出していたと思います。

まあこの映画を終わらすための強引性、ご都合性をどう取るかによって本作の評価は分かれてくるかと思うのですが、私的にはこの終わらすための強引さこそが本作の面白さを担保した肝だと思っており、選択した真相も含めて高く評価しております。

この選択によってラストの余白が活きてくるのですよねぇ。

解答欄をすべて埋めることが唯一絶対の正解ではなく、あえて埋めないことによって残るしこりが意味を生み出すこともあり、本作におけるそれは映画的救済なのだと思います。

終始、主人公を追い詰め、追い込み、孤立と、不安と、後悔と、絶望の底へと叩き落し続けたサディズム映画が見せた、唯一のやさしさではないでしょうか?

HORROR-BAKKA的評価

恐怖度:4.0
グロ度:1.0
面白さ:3.0

総合評価:良作

おすすめポイント

『食われる家族』のおすすめポイント
  • 家族の生活に徐々に入り込んできて、増殖する異物、変わっていく空間、生まれる溝、絶対的孤立感という不安と恐怖を是非とも堪能せよ!
  • ある意味では信用できない主人公が、その不安定さゆえにサディスティックに追い込まれていくイライラと快感に身もだえせよ!
  • やや強引とも思える物語を終わらせるためのエンタメ性こそが映画なんだよ!映画的面白さと救済なんだよ!

DVD&Blu-ray

VOD/動画配信

食われる家族』が配信されているVODはこちら(2022年12月現在。最新の配信状況は各公式サイトにてご確認ください)。

予告編動画


(C)2020 ACEMAKER MOVIEWORKS & B.A. ENTERTAINMENT. All Rights Reserved.

おすすめサイコスリラー
サイコ
スポンサーリンク
HB

HBです。固くも柔らかくもないちょうどいい奴です。ホラー映画ばっか観ているホラー映画バカで、お肉が大好物。

HBをフォローする
HORROR-BAKKA
タイトルとURLをコピーしました