全世界を震撼させた連続殺人 呪われた館に今宵も殺人鬼の影が…
本記事では映画『サイコ』(1960)の作品情報、あらすじ、感想と評価、おすすめポイントを紹介しております。ネタバレ?それはとどのつまり主観の相違です。
作品情報
原題 | Psycho |
製作 | 1960年/アメリカ |
レイティング | G |
上映時間 | 109分 |
監督 | アルフレッド・ヒッチコック |
出演 | アンソニー・パーキンス ジャネット・リー ヴェラ・マイルズ ジョン・ギャヴィン |
あらすじ
経済的な問題から結婚へと踏み切れない恋人のため、会社の金4万ドルを横領して男の暮らす街へと車を走らせる女マリオン。極度の緊張と不安のなか、降り出した雨にいざなわれるかのように一軒のモーテルへと辿り着いた彼女は、そこで思いもよらない恐怖に遭遇するのであった……。
感想と評価
一軒のモーテルを舞台に繰り広げられる連続殺人の恐怖と謎を描いた、のちに無数の模倣やパロディを生み出したサイコスリラーの原型ともいえる作品です。
監督は『見知らぬ乗客』のサスペンス映画の神様アルフレッド・ヒッチコックで、主演は『かわいい毒草』のアンソニー・パーキンスと『ザ・フォッグ』のジャネット・リー。
映画ファン、とりわけホラー映画ファンにとっては鉄板中の鉄板で、いまさら何を語ることがあるのかって感じですし、今も昔もネタバレ厳禁な映画ですので語るに語れない部分もあるのですが、未見の若い映画ファンにも是非とも観てほしいのでちょいとだけ語ります。
「本作の面白さってなんだろう?」って考えたときに、私が真っ先に思い浮かべるのが緊張感の変遷、移動でして、恐怖や不安や緊張をする主体が物語の途中で移り変わっているのが凄く面白いんですよね。
しかもここで描かれているのは加害者側の緊張感で、被害者ではないんです。
罪を犯した者が犯罪の露見に対していだく不安、緊張、恐怖を終始一貫して描いており、しかもその対象が物語の途中で移動するんですからもうビックリです。
さらには現在の感覚からいうとホラー映画としてのショック度はそうとう大人しく、いわゆるショックシーンは劇中で2回しかないのですが、その2回のショックシーンにおける演出の発明ともいえる描写が本当に素晴らしく、グロに慣れすぎた我々に演出の妙というものをあらためて教えてくれています。
グロはなくとも頭さえ使えばホラー映画は撮れるのだということですな。
そんなグロに頼らない本作が迎える結末も非常によく練られた衝撃的なもので、この時代にこういうネタをやっている先取り感には、まさか!そんな!ああ!そういうことか!……ってところでネタバレになりますので、本日はこの辺でお開き。
映画的教養うんぬんじゃなくて、いま観ても単純に面白い傑作ホラーですので、未見の方は絶対にミテヨネ♡
おすすめポイント
- 加害者の緊張が移り変わるサスペンスに戦慄せよ!
- いかにショックシーンを見せるかという演出の妙に感嘆せよ!
- バーナード・ハーマンによる音楽も必聴!ソール・バスによるタイトルデザインも必見!
DVD&Blu-ray
VOD/動画配信
『サイコ』(1960)が配信されているVODはこちら(2021年2月現在。最新の配信状況は各公式サイトにてご確認ください)。
予告編動画
(C) 1960 Shamley Productions, Inc. Renewed 1988 By Universal Studios. All Rights Reserved. Supplemental material written, Produced and directed by Laurent Bouzereau.