生き残る。たとえ一人でも
作品情報
原題 | Resident Evil |
製作 | イギリス、ドイツ |
レイティング | PG12 |
上映時間 | 101分 |
監督 | ポール・W・S・アンダーソン |
出演 | ミラ・ジョヴォヴィッチ ミシェル・ロドリゲス エリック・メビウス ジェームズ・ピュアフォイ マーティン・クルーズ |
あらすじ
21世紀の初頭。巨大複合企業として軍需産業にも手を染める、アンブレラ社の極秘地下研究所「ハイブ」でなんらかの事故が発生し、事態解明と収拾のために特殊部隊が派遣されるものの、彼らと数少ない生存者がそこで遭遇したものは、ゾンビ化した人間たちと恐ろしい生物兵器の成れの果てだった……。
感想と評価
地下施設で極秘研究中だったウィルス兵器が漏洩し、ゾンビ化した人間たちが跋扈する施設内に閉じ込められた特殊部隊員たちの、決死の戦いと脱出劇を描いた、日本のホラーゲーム『バイオハザード』を映像化したSFアクションホラーです。
監督は『イベント・ホライゾン』のポール・W・S・アンダーソンで、主演は『フェイシズ』のミラ・ジョヴォヴィッチ、共演には『ブラッドレイン』のミシェル・ロドリゲス、『パトリック 戦慄病棟』のマーティン・クルーズなど。
日本の大人気ホラーゲームを下敷きに、ミラ・ジョヴォヴィッチを主役に据えて、長期にわたる大ヒットシリーズとなった『バイオハザード』の記念すべき第1作目。
極秘地下施設で何者かによって生物兵器「T-ウィルス」がばら撒かれ、事態を重く見たメインコンピュータの「レッド・クイーン」は全区画を封鎖、所員500名は全員死亡してゾンビ化し、そうとは知らずにハイブへと潜入した特殊部隊と記憶を失ったミラ・ジョヴォヴィッチは、わけもわからず右往左往。
ってな感じのあらすじなのですが、大人気シリーズの一発目としてはパッとしない、なんとも無難な仕上がりでありました。
基本的に何を売りとして、何を武器にして戦おうとしているのかが明確ではない作品で、ゾンビに襲われるホラーとしても、戦うアクションとしても、謎や正体や犯人を推理するミステリーとしても、どれもこれもが中途半端で、結局「これ」ってものが何もないのですよね。
ゾンビ映画の醍醐味はそれに襲われる恐怖もさることながら、返り討ちにした場合のヘッドショットなども肉汁あふれるメインディッシュなのですが、本作のそれは安心安全な胃にやさしい精進料理のような薄味で、ガツンと肉が食いたいのにおかゆ出されちゃ拍子抜けです。
それじゃカッコいいアクション映画へと振り切れているのかといったらそういうわけでもなく、要所要所でミラ・ジョヴォヴィッチがスローに決めてはおりますが、基本的にポール・W・S・アンダーソンの演出は何もかもが大味でして、とりわけガンアクションが致命的。
さらには物語としても締まりの悪いジャンプ打ち切り漫画的なそれで、「私の戦いはここから始まるんだ!」ってな感じで終わられても、まあ事実そうなったとはいえ、一本の映画として見たらやっぱりスッキリはいたしません。
基本的にはミラ・ジョヴォヴィッチありき、続編ありきの導入部といった感じで、なんかそういう志の低さも私的には好きじゃないのですよね。
広く浅い指示を得るために、ホラーとしても、アクションとしても、ストーリー的にも、一本筋の通ったガツンとしたパンチに欠ける、なんとも無難な薄味エンタメホラー。
ちゃんとヒットし、目論見どおりシリーズ化もされましたが、ホラー好きとしてはすべてにおいて物足りない、単なる薄っぺらい序章映画という評価に落ち着いてしまいますよね。
おすすめポイント
DVD&Blu-ray
VOD/動画配信
『バイオハザード』が配信されているVODはこちら(2023年1月現在。最新の配信状況は各公式サイトにてご確認ください)。
予告編動画
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