ギコギコしちゃうぞ♪
作品情報
原題 | Terrifier |
製作 | 2016年/アメリカ |
レイティング | R18+ |
上映時間 | 84分 |
監督 | デイミアン・レオーネ |
出演 | ジェナ・カネル サマンサ・スカフィディ デヴィッド・ハワード・ソーントン |
あらすじ
ハロウィンの夜。羽目を外しすぎたタラとドーンのふたりは、道で出会ったピエロの扮装をした男を面白半分にからかうが、実はこのピエロは狂気の殺人鬼で、これをきっかけとして情け容赦ないハロウィンの惨劇が幕開けるのだった……。
感想と評価
ハロウィンの夜にどこからともなく現れた不気味なピエロが、あの手この手で獲物を徹底的にぶち壊していく狂気の一夜を描いた、気合の入ったゴア描写が評判を呼んだスラッシャーホラーです。
監督は『THE MUMMY VS FRANKENSTEIN マミー VS フランケンシュタイン』のデイミアン・レオーネで、主演は『バイバイマン』のジェナ・カネル。
皆が浮かれるハロウィンの夜に、ただひとりせっせと死体製造のお仕事を黙々とこなす、仕事熱心なピエロのやる気満々を描いた、純度100パーセントのスラッシャー映画でして、ほかには見事に何もありゃしません。
ある特定の祝祭日に、珍妙な格好をした殺人鬼キャラクターが、誰でもいいから手当たり次第に殺して殺してただ殺しまくる、本当にそれだけの映画でして、ある意味では潔い振り切れ方ではあるのですが、ある意味ではそれが物足りない、振り切れりゃいいってもんでもない典型のような作品でしたね。
ドラマやキャラクター、背景、因縁、因果、すべてを投げ捨てて、ただ獲物を殺すこと、というかぶっ壊すことだけに特化した構成は、スラッシャー映画の醍醐味が凝縮されているようにも思いますが、ではこれが本当にスラッシャー映画として面白いかといったらそんなことはないのです。
徹底的に無駄を削ぎ落とすことによって、実は無駄が生み出していたスラッシャー映画としての旨味も同時に削ぎ落とされており、ただただ空虚なゴアフィルムと化してしまっておるのですよね。
まあそれだけに特化した根性は座っておりますので、いかに人体をぶっ壊すかにかける気合と根性はたいしたものなのですが、どうでもいい奴らが、どうでもいい理由で、どうでもいい奴に殺されても、こっちはなんとも思わないのが正直なところです。
無駄が生み出すのはただの無駄ではなく、ある種の潤いだったということを教えてくれるスラッシャー特化映画で、徹底した合理化は殺伐とした空気しか生まないのは、現実も虚構も同じなのですよね。
続編も2022年に公開され、さらなるゴア描写によって失神、ならびに嘔吐する観客が続出して前作以上の評判、ヒットを飛ばしたようですが、もう少し潤いある無駄のほうにも目を向けてほしいというのが個人的な希望です。
おすすめポイント
DVD&Blu-ray
VOD/動画配信
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予告編動画
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